お客様インタビュー|決算・開示アウトソーシングサービス
株式会社LAホールディングス
担当者はわずか2人―LAホールディングス、
少数精鋭での開示を実現するアウトソーシングという“仲間”

度重なる法令改正や制度変更により年々複雑化する決算業務の現場では、最終的なアウトプットである開示書類の作成までを正確に理解・対応できる人材の確保や、業務ノウハウの引き継ぎが多くの企業にとって課題となっています。課題解決に向けて、プロネクサスが提供する「決算・開示アウトソーシングサービス」を2019年から利用しているのが、担当者2人で決算・開示の実務をこなす株式会社LAホールディングスです。同社の経理財務担当部長を務める東義将氏に、少数精鋭での開示を実現するアウトソーシングの効果を聞きました(写真右が東氏、左が経理財務部係長の星野健氏)。
企業概要(2024年12月31日現在)
- 企業名
-
株式会社LAホールディングス
- 上場市場
-
東証グロース、福証本則
- 決算期
-
12月
- 事業内容
-
新築不動産、再生不動産販売事業
- 連結従業員数
-
102人
- 決算開示業務担当者の人数
-
2人
- 連結子会社数
-
5社
- 監査法人
-
興亜監査法人
1人で連結業務をこなす不安に寄り添う“仲間”の存在
東様は20年2月にLAホールディングスに転職され、20年12月期の第1四半期(1~3月)から連結・決算開示業務の取りまとめを担当されたと聞いています。当時の経理・決算開示業務の体制や、初めてアウトソーシングサービスを利用して感じたことをお話しいただけますか。
着任当時の経理部メンバーは、私のほかには日次業務を主担当とする者を含めて3人だけでした。前職でも連結決算の取りまとめから開示まで一通りの経験はありましたが、私1人で連結・開示業務を行うのは、さすがに不安でした。
しかし、第1四半期決算のミーティングで、専門的な知識を有する公認会計士が集まるプロネクサスグループの企業であるディスクロージャー・プロの皆さんと、開示書類の基となる基礎資料の作成スケジュールなどの詳細を共有することができました。自分がどの決算・開示プロセスに注力すればよいのかが明確になり、不安が解消されたことを覚えています。
転職されてすぐの決算・開示業務で、アウトソーシングサービスを利用されていたからこそのメリットはありましたか。
着任当時、重要性の高さから真っ先に取り掛かったのが試算表や連結精算表などの基礎資料のフォームの見直しと決算数値の確認です。この工程に多くの時間を費やすことができたのは、開示書類作成作業の大部分をディスクロージャー・プロに任せられる安心感があったからです。当時は「誰にも相談できない、誰にも頼れない」実質ワンオペ状態だった中で、専門家に気軽に相談できたのは、とても心強く「仲間が一人増えた」と思えたことも大きなメリットだったと感じています。

ディスクロージャー・プロの公認会計士とは、具体的にはどのようにコミュニケーションをとっていますか。
いつでも見返すことができるように、互いの質問と回答を一覧表にした「連絡表」を作り、順次更新してやり取りしています。例えば、こちらからは「この開示項目の書き方や他社事例はありますか」と質問をしたり、ディスクロージャー・プロからは「基礎資料のここの数値はどうなっていますか」といった確認をいただいたり、といった具合です。実際の会計処理に関しては監査法人に相談していましたが、開示書類の作成などはテクニカルな点も含め、ディスクロージャー・プロの皆さんに相談しながら決めていました。
多くのグロース市場の企業同様、貴社も少数精鋭で決算・開示業務をされています。仮にアウトソーシングを利用しなかった場合、どのような不都合が生じていたと考えられますか。
おそらくですが、全体の業務が回らなかったと思います。特に期末決算のタイミングは、予算取りまとめや単体・連結決算締めに始まり、作成しなくてはならない書類も法人税申告書、注記の基礎資料、決算短信、招集通知、子会社の事業報告及び計算書類、さらには有価証券報告書と多岐にわたります。いくつもの重要な業務が重なり合う上に、日次・月次業務を正確かつ迅速に処理しなければなりません。現状の体制では、開示資料の作成に多くの時間が取られてしまい、基礎数値の確認や開示項目の内容の検討といった大切なプロセスまで行き届かなかったのではないでしょうか。これは開示担当者として星野が加わり、2人体制となった今でも同様です。
特に、貴社の場合は20年7月にホールディングス化に伴う再上場といった大きなイベントもあったかと思います。これに伴い、決算開示も変則的な対応が求められた訳ですが、当時を振り返って大変だったことはありますか。
当時は本当に繁忙を極めていたと記憶しています。会計や税務の処理について確認するのはもちろん、前身会社であるラ・アトレを上場廃止にするために関東財務局の担当者と相談するなど、目が回るようでした。気持ちとしては2~3年分の業務を一度にこなしているような感じでしたが、まずは最低限、基礎資料さえ用意することができれば、開示書類の作成は任せられるという安心感はありました。
ディスクロージャー・プロにはその都度相談できるのも助かりました。例えば、沿革は何年まで入れる必要があるのかといったことや、第3四半期(7~9月)の扱いについても、ホールディングスとしては第1期に当たるが、どのように対応すればいいのかといったことまで、細かな点まで含めて、ずいぶんと相談させていただきましたね。
連結決算をサポートする細かな改善提案も
着任後、真っ先に基礎資料を使いやすいように整理し直したとの話が先ほどありましたが、その際にもディスクロージャー・プロからアドバイスはありましたか。
はい、ありました。例えば、連結精算表ですが、着任してすぐの第1四半期決算は自分で作成したものを使っていたのですが、振り返りの際、「このフォームであれば、効率的かつ簡単な作業で済みますよ」と、改善提案の一環で参考フォームを提供いただきました。
フォーム内容の一例をあげると、連結精算表の記載順と、実際に短信で開示されている記載順を合わせることで転記ミスを防ぎやすくするなど、ちょっとした工夫が行き届いたものになります。細かい点ですが、とても実務的であり、参考になりました。
このほかにも提案いただいた販管費の判定表シートはいまでも使っていますね。販管費のデータを貼り付けると開示対象は赤字で表示される仕組みです。時間がない時には助かります。
連結精算表から短信への組み換えフォームのイメージ

販管費の判定シートのイメージ

アウトソーシングで「ノウハウは蓄積できない」との誤解
アウトソーシングの利用によって、ノウハウの蓄積・可視化や担当者のスキルアップにつながった点などはありますか。
入社した当時は決算・開示アウトソーシングのことを全く知らず、任せきりにしてしまうとノウハウがたまらないのではないかと心配していました。しかし、ディスクロージャー・プロの方々とのやりとりを通して、これまで気づいていなかった誤りや、見落としていた事項などをタイムリーに指摘いただけるようになりました。加えて、こちらからの不明点などの質問に対する回答や他社事例も速やかに対応・提供していただけるため、社内で共有することでノウハウが蓄積され、実際にはスキルアップにつながっています。まさに「強力な仲間」が増えた感覚で、少数精鋭の人員体制でやっていくには一番良い方法なのではないかなと今では思っています。
また、先ほどお伝えした「連絡表」は過去の履歴を含めて保存しているので、将来、業務の引き継ぎが発生した際にも役立てることができるのではないかと思います。
年々業容拡大するものの決算の作業時間は大幅に短縮
貴社がアウトソーシングの利用を始めてから約6年が経過しました。この間、業務効率化の進展など、年を追うごとに感じている手応えはありますか。
アウトソーシングの利用開始後も、M&A(合併・買収)などを通じて当社の業容は着実に拡大しています。その中にあっても、月次決算・四半期決算に関する作業時間を大幅に短縮することができました。着任して2~3年目ぐらいまでは、四半期決算時でも、平日は夜遅くまで作業し、休日出勤もしていましたが、最近は夜遅くまで作業することもなく、休日出勤もほぼなくなりました。
効率化で生じた余力を活かし、今後は決算短信の早期開示を実現したいです。いまは各四半期の終了後45日以内に開示をしていますが、個人的には30日以内の開示を目指したいですね。業務のさらなる見直しによって、決算開示の早期化を進めてまいります。
金融庁が全上場企業に対して、有報の株主総会前提出を求める要請を出しました。仮に総会前提出を実施する場合、業務プロセス面で感じている不安や、アウトソーシングに対する期待をお聞かせください。
有報の総会前開示については、当社においても株主の皆様への適時かつ効率的な情報開示の重要性を十分に認識しております。業務プロセス面で感じている不安は、監査日程及び社内の確認プロセスなど、実務上に照らしたスケジュールや環境整備です。期末決算においては、これまで以上に連携を深め、スケジュール面や総会後の適時開示または臨時報告書等も含めて、適時・適切な開示を行えるようなサポートを期待しています。
ディスクロージャー企画業務推進部 調査研究チーム
- 上記コンテンツは、公開時の時点の各種情報に基づき作成しております。
関連するサービス・リンク
- 本ソリューションへのお問い合わせ
- 商品・サービスの詳しいお問い合わせはこちらから