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調査研究活動

銀行・保険業ディスクロージャー誌調査

プロネクサス総合研究所では、2011年3月期銀行業・保険業ディスクロージャー誌について調査いたしました。
ここでは、ディスクロージャー誌の調査結果から見られた最近の傾向や特徴をご紹介いたします。

社長自ら株主・投資家に語る

代表者挨拶のページでは、93.5%が社長(頭取)の写真を載せており、社長が自ら経営理念を説明するなど、自行への理解度向上を目指す姿勢が感じられる。
巻頭に代表者インタビューを掲載している銀行は7行あった。インタビューの内容は、今期の業績・目標の達成状況や、中期経営計画、地域における自行の役割、東日本大震災の影響などがあり、経営者自身の言葉でわかりやすく伝える工夫が感じられた。

挨拶ページにおける代表者のポートレート
〈挨拶ページにおける代表者のポートレート〉
  2011年3月期 2010年3月期
件数 件数
社長(頭取)のみ 50 64.9 45 71.4
会長・社長(頭取) 17 22.1 14 22.2
その他 5 6.5 2 3.2
なし 5 6.5 2 3.2
合 計 77 100.0 63 100.0

読者とのコミュニケーション・ツールとして

財務ハイライトのグラフはほぼ全行が掲載しており、掲載期数は、3期分(68.0%)、5期分(25.3%)が多かった。
専門用語の解説も76.6%が掲載している。
6行が雑誌風の企画編(右開き・縦書き)を作成しており、近年増加傾向にある。雑誌風企画編は企画内容も多岐にわたり、法定項目に関してもわかりやすく伝えようと工夫がなされていた。

財務ハイライトのグラフの有無
〈財務ハイライトのグラフの有無〉
  2011年3月期 2010年3月期
件数 件数
あり 75 97.4 61 96.8
なし 2 2.6 2 3.2
合 計 77 100.0 63 100.0

Webの活用

約9割の銀行が、企画編・資料編ともに、印刷物とホームページの両方で開示を行っている。
ホームページへの掲載方法では、PDFだけでなく、電子ブックを掲載している例も見られた。

〈ディスクロージャー誌の開示方法〉
  2011年3月期 2010年3月期
件数 件数
すべて印刷物+Web 67 87.0 59 93.7
資料編はWebのみ 4 5.2 1 1.6
バーゼル編はWebのみ 3 3.9 1 1.6
すべてWebのみ 3 3.9 2 3.2
合 計 77 100.0 63 100.0


さらに当研究所では、各生損保31社からもディスクロージャー誌を送付いただき、調査を行った。その結果については、基本的に銀行と同様の特徴が見られたが、生損保独自の特徴として「顧客への対応」を紹介する。

顧客への対応

保険金支払いに関わる問題等を受けて、8割の会社が、顧客の意見・苦情を業務改善につなげる取り組みや、満足度調査の結果等を掲載しており、3〜4ページ割く会社が多かった。
調査対象のうち相互会社は5社あったが、そのすべてにおいて、定時総代会の開催概要、質疑応答に関する報告ページがあった。そのうち、3社は追補版として6〜8ページの小冊子を差込む形態であった。

顧客の意見・苦情に関する独立ページ
〈顧客の意見・苦情に関する独立ページ〉
  2011年3月期 2010年3月期
件数 件数
顧客ページあり 25 80.6 30 85.7
顧客ページなし 6 19.4 5 14.3
合 計 31 100.0 35 100.0

〈調査対象〉
銀行業・保険業各社に2011年3月期ディスクロージャー誌の送付を依頼し、ご返信いただいた銀行77行・保険31社。

※なお、当調査レポート全文をご要望の銀行業・保険業のご担当者様は、弊社営業担当もしくはsouken@pronexus.co.jpまでお問合せください。