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調査研究活動

株主通信 実態調査

プロネクサス総合研究所では、上場会社が個人株主・投資家向けに活用している代表的なIRツールの一つである株主通信について、その掲載項目を継続的に調査・分析しています。本年も引き続き、2010年4月から2011年3月までの事業年度について発行された株主通信を対象に調査集計し、『株主通信実態調査報告Vol.8』として取りまとめました。調査結果の一部として、年次株主通信における「社会貢献・CSR活動」「セグメント情報」についての掲載状況をご紹介いたします。

<調査・分析対象>
2009年4月から2010年3月の間に終了した本決算に関して、上場企業(当社顧客中心)が発行した株主通信1,153件。
調査全数から、招集通知添付書類(「事業報告」部分)を流用した形に近い株主通信(「流用型」とする)を除いて、分析しています。
年次株主通信:981件=全数1,153件−「流用型」172件

<調査結果ピックアップ>

社会貢献・CSR活動等の掲載比率が7.3ポイント増加し、25%を超えた。

社会貢献・CSR活動等に関する記述は2011年の年次株主通信981件中248件(25.3%)にあり、前期比7.3ポイント増加して、25%を超えました。
年次株主通信では、東日本大震災への支援活動に触れている事例が多く、分析対象のうち2011年2月・3月決算である722件のうち156件(21.6%)に記載がありました。支援活動の報告内容は、義援金や物資支援・ボランティア派遣をトピックスページに記載している場合が多いのですが、数ページを割いて震災対応や支援活動を報告したり、BCP(事業継続計画)に触れている例もありました。

【年次】
社会貢献・CSR活動等 当期(2011年) 前期(2010年) 増減
掲載あり 248 25.3 188 18.0 7.3
掲載なし 733 74.7 858 82.0 -7.3
合 計 981 100.0 1,046 100.0  

<掲載あり>
掲載ありグラフ

2011年3月決算会社におけるセグメント情報では、全体の6割以上がグラフや表を用いて説明。

2011年の年次株主通信981件を、「複数セグメント」「新セグメント基準(注)の対象となる2011年3月決算」の2条件で絞り込むと、該当は639件となります。
その639件のセグメント情報を見てみると、以下のような傾向でした。

「事業の概況」ページ等で事業別や地域別セグメントの概況報告をする場合、63.6%は、写真やグラフ・表を活用してわかりやすくセグメント別の概況を説明しています。しかし、全く言及のない事例も18.6%ありました。
セグメント区分変更の注記を記載しているものは7.8%(20件)、さらに過年度情報を遡及修正した旨も注記に加えている事例は20件のうち14件でした。

【年次】
セグメント情報 2011年3月決算会社
あり(当期構成比率のみ) 149 23.3
あり(過年度比較のみ) 97 15.3
あり(当期・過年度両方) 160 25.0
なし(文章のみあり) 114 17.8
なし 119 18.6
合 計 639 100.0
年次グラフ
※過年度のセグメント情報「あり」における、セグメント区分変更注記の有無
セグメント区分変更注記 2011年3月決算会社
あり 20 7.8
なし 237 92.2
合 計 257 100.0
(注) 新セグメント基準:2010年4月1日以後に始まる事業年度・連結会計年度から適用されている「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号)および同適用指針(企業会計基準適用指針第20号)を指しています。

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